コビーの2年間はなぜ続いたのか?『ワンピース』第2話から学ぶ支配と勇気

ワンピース

仕事や学校、今自分が所属する集団で理不尽なことはありませんか?

嫌ですが、残念ながらこの世の中理不尽なことだらけです。

それでもなんとか耐えて毎日過ごしている人も少なくないのでは?

「社畜」という言葉を最近よく耳にします。

多分、現状に満足はいかないが、自分ではどうしようもない力が働いていたり、生きるため、お金を稼ぐために仕方なくその集団に属している。

2話のコビー、まさに「社畜」「奴隷」「命を握られている」理不尽な扱いを受けまくりながら過ごしています。

彼の変容から学べることが何かあるのでは・・・

漫画『ワンピース』第2話のあらすじ

ルフィは小舟で旅を始めるが、偶然コビーがいるアルビダの船に流れ着く。

コビーは2年間アルビダにこき使われてきたが、ルフィと出会い、自分の夢を口にする勇気を得る。

ルフィはアルビダを一撃で倒し、コビーは自由を手に入れる。

コビーの2年間は異常?支配と恐怖の心理

人差し指で「ツーー」・・・「何だい?このホコリは…」金棒のアルビダの第一声です。

このあと掃除した人はボコボコにされてしまいます。

そしてコビーに対して「この海で一番美しいものは?」

コビー「レディー!アルビダ様です!えへへへへ」

そしてなぜか私の靴を磨きな!と言ってコビーはアルビダから蹴られまくります。

アルビダの発言によると、コビーは殺されるはずだったが、「海の知識が人一倍あるため生かしておいてやっている」とのこと。

命を握られている状態のコビーの雑用はなんと、2年間も続いているようです。

「支配」と「恐怖」の心理状態

支配の心理状態

  • 権力欲求:他者をコントロールしたい、優位に立ちたいという欲求。 アルビダ状態
  • 自己肯定感の補強:自分の価値を確認するために他者を支配する。 アルビダ状態
  • 不安の裏返し:自分の弱さや不安を隠すために支配的な態度を取る場合も。 これもアルビダ状態?
  • 操作的行動:言葉や態度を駆使して他人を操り、思い通りに動かそうとする。 アルビダ状態

恐怖の心理状態

  • 不安と緊張:恐怖は強い不安感や緊張状態を引き起こす。 コビー状態
  • 逃避・回避行動:恐怖の対象から逃げたり避けたりする行動が現れる。
  • 無力感:自分では状況をコントロールできないという感覚。 コビー状態
  • 生存本能の発動:本能的に「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」の反応が起こる。

支配と恐怖の関係性

  • 支配する側の心理:恐怖を利用して他者を従わせることで、自分の権力を強化する。
  • 支配される側の心理:恐怖を感じることで無力感に陥り、従順になりやすくなる。
  • 連鎖の可能性:支配されることで恐怖を学び、後にその人が支配する側に回ることも。

心理状態的に、コビーは完全に支配されていたのでしょう・・・可哀想に

しかし、このあとコビーの生存本能が発動?することになります!!

ルフィが変えた!コビーの「自己評価」

コビーはルフィと出会い、ルフィの目標を知ります。

この時点でのコビーの口癖は「ムリ」「無理」何度も連呼してルフィに殴られます。

ルフィになぜ殴るかを聞くとルフィ「なんとなくだ!!」・・・理不尽!

コビーも「…でもいいや…慣れてるから…えへへへ…」

本当に小っっっっっさいことですが、「えへへへへ」→「えへへへ」  「へ」が一つ減ってます!

このときから少しコビーの心境に変化が起きていたのでは?

無理だ無理だと自分にも言い聞かせてきたコビーはルフィの決意を目の当たりにして自分の夢も語り始めます

「海軍に入れるでしょうか?」「やれるでしょうか?」→「やりますよ!!!」決意を口に出します。

コビーと現実社会—いじめ問題と重なる点ー

いじめの定義

いじめの定義は時代によって移り変わっています。定義の変遷を見ていきます。

いじめの定義の変遷

いじめの定義は時代によって移り変わっています。定義の変遷を見ていきます。

【昭和61年度からの定義】

この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わないもの」とする。

文部科学省「いじめの定義の変遷」

【平成6年度からの定義】

この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。

○「学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの」を削除

○「いじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと」を追加

文部科学省「いじめの定義の変遷」

【平成18年度からの定義】

本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。(※)なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

○「一方的に」「継続的に」「深刻な」といった文言を削除

○「いじめられた児童生徒の立場に立って」「一定の人間関係のある者」「攻撃」等について、注釈を追加

※いじめ防止対策推進法の施行に伴い、平成25年度から以下のとおり定義されている。

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。

文部科学省「いじめの定義の変遷」

時代の流れの中で、いじめによる悲しい出来事もたくさん起こりました。その度、いじめの定義について議論され、見直されてきました。

現在のいじめの状況

R5年の文部科学省のいじめの調査では、いじめの認知件数は過去最多の732,568件

前年度より50,620件増加しています。1,000人あたりの認知件数は57.9件。

100人に約5人。20人に約1人と、計算上では大体クラスに一人はいじめられている子がいるということになります。

ただ、いじめの認知件数が増えたこと自体が大問題!というわけではないと思います。

定義も変わってきて、これまでは認知されていなかったいじめが、たくさん認知されるようになった

という見方もできます。どんな集団でもいじめは起こり得ます。大人でも海賊でも。

早期発見、早期解決が大切!!

コビーのように良いきっかけがあり、行動でき、苦しい今から抜け出せる人が増えることを願います。

コビーと現実社会ーブラック企業ー

今回の2話は現実社会のブラック労働とリンクする点が多いと感じました。

そして、コビーの変容も現代社会の希望のように読み取ることもできます。

アルビダの船=ブラック職場

コビーがアルビダの船で強制労働をさせられていた状況は、現代でいうブラック労働環境といえます。

 - 上司(アルビダ)の圧力(流石に金棒で殴られたり、蹴りまくられたりはないが・・・)

 - 過酷な労働時間・条件

 - 「逃げられない」「夢を諦めざるを得ない」状況。コビー状態に陥る。

ルフィとの出会い=転機と働き方改革

ルフィと出会ったことで、自分の夢を思い出し、現状を変える決意をするコビー。

 - これは、現代における「働き方改革」や「転職」のような、労働環境を改善する転機!現在、Twitter(X)や書籍、YouTubeの動画など、多種多様な転機が!!

 - コビーのように「一歩踏み出す」ことで、新しい道が開けるというメッセージがこめられているように勝手に感じています。w

コビーの成長=現代社会の希望

コビーは海軍で努力を続け、強くなっていく。(この点は今後の話にはなりますが・・・)

 - 現代の労働者が厳しい状況でも、きっかけをつかみ、一歩踏み出せば希望を持って成長していくことができます!コビーにできたんだから!

 - 働き方改革の中で、新しいスキルを身につける、キャリアチェンジするなどの前向きな行動を!私にとってのブログはその一歩なのかも?

ブラック労働からの脱却とコビーの物語

コビーの物語を通して、「ブラック労働からの脱却」と「自分の夢を追い続けること」の大切さを教えられました。

現在辛い状況にいる人も、逃げ出したくても逃げ出せない人も、「今を変える一歩を踏み出す」ことで、とんでもなく自由な未来が待っているかもしれませんね!コビーから学びました。

ワンピース第2話「コビーの2年間」から考える道徳授業案

「もし君がコビーだったら?」—支配と自由の狭間でどう生きる?

ちょっと雰囲気を変えて・・・

コビーは「間違って船に乗っただけ」で2年間も雑用を強いられた。この状況を疑問に思うことはありますか?もし自分がコビーの立場なら、どう行動するかを考えながら授業を進めていきます。

道徳科の内容項目

A-① 善悪の判断、自律、自由と責任

A-⑤ 希望と勇気、努力と強い意志

ねらい

• コビーの状況を通じて、「自由」と「責任」の関係を考える。

• 自分の意志で行動する勇気の大切さを学ぶ。

• 支配の構造と、その中での選択肢について議論する。

評価基準

• 思考・判断:支配と自由の関係を自分なりに考え、発言できるか。

• 意欲・態度:他者の意見を聞き、自分の考えを深めようとするか。

• 表現:自分の考えを的確に説明し、具体的な例を挙げられるか。

めあて

「コビーの2年間を通して、自由と勇気の大切さについて考えよう。」

授業展開(45分想定)

導入(5分)

コビーの状況を確認した後、

• 問いかけ:「もし君がコビーだったら、どうする?」

• ペアで話し合い:「2年間耐え続けるのはあり?なし?」

展開①:支配の構造と心理(10分)

• 解説:アルビダの支配はなぜ続いたのか?

• 議論:「もし君がコビーの友達だったら、どう助ける?」

展開②:勇気を持つ瞬間(15分)

• コビーはなぜルフィの言葉で変われたのか?

• 「勇気を出した経験」を書き出して共有

展開③:現実社会との関連(10分)

• 支配と自由の問題は現実でもある?(例:いじめ、ブラック企業、家庭のルール)

• 「自由を得るために必要なこと」を考える

⑦ まとめ(3分)

• コビーの2年間から学べることを整理

• 「自由と責任」「勇気を持つタイミング」の大切さを確認

⑧ 振り返り(視点を示す)

• 「自分にとって自由とは?」

• 「勇気を出したことで変わったことはある?」

• 「これからの自分の行動で変えられることは?」

まとめ

コビーの2年間は、現実社会にも通じる「支配の構造」「勇気を持つことの難しさ」を考えさせられる話でした。

ルフィのように「自由に生きる」ことは簡単ではないが、自分の価値を認め、勇気を出すことで未来は変えられます。

ここまで読んでくださった方の「自分の選択肢を考える」きっかけになれば嬉しいです。

あなたなら、恐怖に支配された2年間をどう乗り越えますか?

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